君の笑顔が見たいから


私の部屋とつくりは同じだけど、家具とか置かれているものが全然違う。



黒と白を基調に綺麗に整理整頓されている、シンプルな部屋。




「凛愛、アパートの前で倒れたの覚えてる?勝手に部屋に入るわけにはいかないから、俺の部屋に連れてきた」




学校で怜哉と高梨くんの会話を聞いて、雨の中傘もささずに走らずに歩いていて、アパートの手前で怜哉に声をかけられた。



そこまでは覚えているんだけど、それからあとの記憶が全くない。




「怜哉、下からここまで運んでくれたの?」



「ああ、触られたのが嫌だったら謝る。ほっとくわけにはいかなかったし」



「ううん、ありがとう。わざわざごめんね」