ここ最近、いつもより就寝時間が遅くなっていたからか、頭に鈍い痛みが走る。
「凛愛……?」
アパートが見えてきたところで、後ろから名前を呼ぶ声が聞こえた。
正直今は顔を合わせたくなかったんだけどなあ。
振り向いたら、怜哉が傘をさして近寄ってくるのが見えた。
涙で滲んだ視界で、かろうじてその姿は確認できたけど。
怜哉の顔を見た瞬間、視界がぐにゃりと歪んで、足がもつれた。
「おいっ!」
地面に倒れ込みそうになる直前に、怜哉の手が背中に回った。
「うっ……!」
頭がズキンとなって、視界が霞んでいく。
メニュー