君の笑顔が見たいから


2階にある図書室の横の階段を登り、4階の1年の教室階につく。



廊下を早足で歩いていたら、目的の自分のクラスの教室の隣のクラスの少し開いたドアの隙間から漏れる話し声に足が止まった。




「…―――だってずっと好きなんだろ?」




「……ああ」




聞こえた声が怜哉の声だったから。




高梨くんと怜哉が教室に2人残って、話しているのがドアの隙間から見えた。



いわゆる "恋バナ" のような内容に聞こえるけど、声の雰囲気は真剣そのもので。




盗み聞きはいけない、とわかっているけど、ドアのそばに背中をくっつけるようにして立ったまま、耳だけ教室に向けた。




「まあ、ずっと探してたんだもんな。俺はいいと思うけど」



「やっと見つけたんだ。でも今はそばにいてやる事が優先だけど」