唯一、悠陽には、俺が周囲の大人達に思っていることも、"あの子" の事も話している。
あ、"あの子" の事は凛愛にも、ちょっとだけ話したんだっけ。
だから悠陽に、凛愛が "あの子" だったと伝えた。
「……証明できるものはないけど "あの子" は凛愛だ」
「えっ!?宮坂さんが?……まってまって、怜哉から聞いてたイメージと全然違うんだけど」
それは、そうだ。
あんな事があったら塞ぎ込んでしまうのも、しかたない。
凛愛の話を思い出し、顔を歪めて言った。
「凛愛は、あのパーティーの後に色々あったんだ。これは俺からは言えないけど。……だから凛愛はたぶん、あのパーティーの事を覚えてない」
