君の笑顔が見たいから

そんなに凛愛が苦しむ必要はないんだ。



だって、凛愛は何も悪いことをしたわけじゃない。




そんな想いを込めて、



｢そんなに……無理して笑うな｣



そう、一言だけ凛愛に投げかけた。



一瞬目を見開いた凛愛の大きな瞳がだんだん潤んでいき、涙が一筋零れ落ちた。




恐らく、独りでずっと抱えたまま、いじめに遭ったとき以来、 "泣く" 事をしていなかっただろう。




ずっと強く振舞って、凛としていて。



そんな姿の裏側で苦しんでいることに気づけなくて。



初めて凛愛の泣いている顔を見て、支えたい、そう思った。