ちょうど隣の教室から出てきた、高梨くんと鉢合わせた。
「うん、今帰るとこ。ていうか怜哉のとこに用があるから一緒に歩こうか。お隣さんでしょ?」
「……あ、うん」
怜哉に用があるなら、学校で言えばいいのに。
高梨くんは怜哉と同じクラスのはずだ。
並んで歩きながら、疑問に思ったことを投げかける。
「怜哉に用なら学校で済ませられないの?同じクラスだよね?」
「ん?ああ、あいつ一昨日から学校休んでて。今日は授業のプリント届けに行かなきゃならないんだ」
高梨くんは一瞬不思議そうな顔をしたけど、特に何事もないように答えた。
