そして、もう1つは。 ────誰にも頼らず1人で生きていくこと。 上辺だけで接している人が世の中には沢山いるということ。 奈子に裏切られて、身に染みてわかった。 人を信じることを―――…諦めた。 それからは、笑うこともできなくなっていたし、誰かとコミュニケーションを取ることも必要以上にしなくなった。 家に帰れば、暴言を浴びせられて。 少しでも父とあの人の機嫌を取るために、顔色を伺うことだけは上手くなった。