君の笑顔が見たいから


私が小学3年生の時―――…母が急な病で帰らぬ人となった。



まだ幼かった私は、青白くなっていく母の顔が涙でぼやけるほど泣いて。



『なんで!なんで!』



ずっと母の手を握りながら、病室で叫んでいた。




『ごめ、んなさっ…り、あ』



母は、そんな私を見ながら最後にそう呟いて動かなくなってしまった。




……母が亡くなってから、父は政略結婚のため、別れてしまった元恋人とヨリを戻し、再婚した。




その人は当時付き合っていた父を奪った、私の母とその子供の私のことを、酷く恨んでいて。