【凛愛side】
私の父と母は、いわゆる政略結婚というやつだった。
私の家は、宮坂製薬会社というそこそこ大きな会社で、母は社長となる父の許嫁だった。
しかし、父には当時付き合っている人がいて、母との結婚は望んだものではなかった。
母はとても優しくおおらかな人で、恋愛結婚ではなかったものの、しっかり社長の妻として振る舞い、私に対してもしっかり "母" であった。
父もそんな母を、悪くいうことはなく、円満と言える環境だった。
社長としてバリバリに働く父と、優しく暖かく見守ってくれる母がいて、私もとても幸せだった。
────しかし、ある日を境にその幸せは唐突に崩れ落ちていった。
