柚希の席の方を見ると、彼女はまだ来ていなかった。 ああ、よかった。 こんな状況見られて、また絶望するよりましだ。 「黙ってないで、なんとか言いなさいよ!ムカつく!」 そう言って、結城さんは右腕を振り上げた。 あっ、と思った時には遅くて、来るであろう衝撃に備えて、ぎゅっと目を瞑る。 「え……、な、んで?」 なかなか痛みは襲ってこなくて、かわりに結城さんの間の抜けた震えた声が聞こえた。 恐る恐る目を開けると、 ―――…怜哉が結城さんの振り上げられた腕を掴んで立っていた。