今まで人を信じる事を諦めて、友達なんていらない────そう思って過ごしてきた。



でも自分から壁を壊して、辛い辛い過去を打ち明けてくれた柚希から逃げちゃダメだと思ったんだ。




私は、自分のことはまだ話せないでいる。



柚希も怜哉もとっくに私が "なにか" を抱えていることには気づいているだろう。




それでも問い詰めてこないのが彼らの優しさだ。



この2人は今まで関わってきた人達とは違う。


それはもう……断言できる。



私はずっと逃げてきた。



自分の "過去" からも、自分自身からも。