「あの、離してください」


無表情のまま、少しだけ声のトーンを落として言う。



「まあまあ、そんな怖い顔しないで少しだけ遊ぼうよ〜」



「でも、まだ途中なの────……」


「離してくんない?その手」




うんざりしながら逃れようとした私の言葉に被さって放たれた鋭い声。



あの日と同じ鋭い睨みをきかせて、私の手首をチャラ男から解放してくれたのは怜哉。



なんでこの人は、こんなにタイミングよく私を助けに来られるのだろうか。