君の笑顔が見たいから


そう告げて────────精一杯の笑顔を作る。



意図して作った笑顔だけど、無理やりじゃない。



怜哉が言ってくれた、『笑って』という言葉。



私が笑わなかったら怜哉が死ぬわけでもない。




それなのに、こんな私のために寄り添ってくれる、とそう言ってくれた怜哉なら信じてみてもいいかなと思ってしまった。



私の顔を見て、ハッと目を見開いた怜哉。


そんな怜哉を見て思う。



やっぱり怜哉には迷惑をかけられない。


私は私自身で過去に向き合わなければならない。



ありがとう、勇気をくれて────。