「最近、無理してない?」 後ろから、三河君の穏やかで落ち着いた鐘のような声が私を引き止めた。 周りからはそんな風に見えていたのか。 「遅いから、送るよ。」と言ってくれた。 その言葉に甘え、送って貰うことにした。 「ごめんね、急に。本当は家に帰りたくないだけなんだ。親がうるさくて」 「だからサボり。」 そう言って悪戯っ子のように笑う三河君に、心臓が勝手に暴れだした。