ボーッと考えていると、
「‥‥‥清原。黒板に書いて。」
先生の声で顔をあげると、彼女はスラスラと流れるように書いていた。
俺の近くにいる女子よりも字に癖がない。素朴な感じが彼女を表しているようだった。
先生に褒められた彼女は、すっと目線を左下に向け、髪を耳に掛け直した。
あの仕草は、いつかの朝と同じだった。
今の状況からいって、彼女は照れているのか。
その仕草は照れたときの仕草なのか。
あのときも彼女は照れていたのか。
もしそうなら、そんなの反則じゃん。
ぐるぐる考えて結局分からなくなって、自分の都合の良いように捉えることにした。


