碧くて、淡い【完】



「そんなの、どうでもいいよ。 
話したい人と話すし、読みたい本を読む。 

好きなことをして、何が悪いのよ。 
(わら)いたい人には、
嗤わせておけばいいのよ。」



「食べる?」と言って、タッパーから取り出したチョコケーキをフォークで取って、私に向けた。


ありがとう、そう言って貰おうとすると、

「嘘よ、あげる訳ないじゃない」と、
意地悪そうに笑って、美味しそうに口に入れた。

意地悪そうに笑う顔も、
美味しいそうに食べる顔も、

全て初めて見る顔で、そんな風に笑うんだ、と思った。



彼女が一人なのは、自分に真っ直ぐで正直だからなのかもしれない。