「‥‥‥‥ううん。図星だったから、」 最初に冷たかったのは、私の行動が手に取るように分かって、イライラしたかららしい。 私は、この小さくて絶対的な世界で独りになんてなりたくない。 彼女はこの世界をどう思ってるんだろう。 ふと、聞いてみたくなった。 きっとそれは、彼女は私と程よく遠くて、お互いに何も知らない存在だから。 私は彼女が、毎朝『宇宙の記憶』という本を読んでいることしか知らない。