碧くて、淡い【完】



―― キーンコーンカーンコーン


「1時間目の授業、何だっけー?」

チャイムが鳴り、周りがざわめき始める。


それは嘲笑うようにどんどん大きくなり、テレビの砂嵐のような、電波の合っていないラジオのようで、耳の奥がぞわぞわしてくる。

私は机の木目の模様を眺めながら、いつも朝に刻み付けていた音を思い出す。


―― チッチッチッチッ‥‥‥‥
―― ツーーーーー‥‥‥‥‥


周りの音がどんどん遠ざかる。


よし、と自分を奮い立たせ、現国の準備をし始めた。