碧くて、淡い【完】


もしかしたら、本当は触れていないかもしれない。

彼女の色に染まった空気が俺の手を(かす)めただけかもしれない。


でも、あの一瞬。


心臓に電流が走って、勝手に意思を持って暴れまわった。


その日を境に、彼女が近づく度に心臓が勝手な行動をし始めて、自分の体と心臓が切り離されたようだった。