その静寂を喰うようにガラガラッと、勢いよくドアが開いた。 「ねぇ、これあげる!」 「真島(まじま)と今回の定期テストでどっちが良い点採れるか競ってるんでしょ?だから、勝てるようにお守り作ったんだ!」 そう言ってずいっと俺に腕を伸ばした。 彼女の人差し指が俺の手に微(かす)かに触れた。 それはたった一瞬だった。