「今度、食べに来なよ」
いつもの時間に、いつもの電車のいつもの席。3両目の頭の左の端の席。
ここは、いつも3両目の前のドアから乗ると最初に目に着く席。
彼女はいつも席に座っている。
「変わった名前のお店ですね。」
そう呟く彼女に、オーナーの名字が由来になっているのだと伝えた。
「不吉」や「死」を連想させるその店名は、三途の川みたいだから嫌いだという、
オーナーの息子の言葉に由来しているらしい。
それから親友が最近少し変わったのだと嬉しそうに話していた。
「今度店に一緒に行きます。」
そう言って笑った。