「でも、好きなんだろ? 好きだから、悩んでるんだろ?」 そんなこと、なんでもないという風に言う彼。 いつもそうだ。 僕にとっては大きな壁でも、彼にとってはただの石ころなのだろうか。 さらりと越えていく。 あっけらかんとした表情で言う彼を見て、何だかイラッとした。