◆◆◆ 昼下がり。 左上から右下へ 字を追いながら彷徨っている。 薄暗い裏庭のベンチに座り、もう30回以上は同じことを繰り返している。 前に書いた紙。 こんな紙切れをずっと持ち歩いている。 「あともう少しだけ」 落ちる度に、そう思いながら自分を奮い立たせてきた。 この言葉だけでやって来た。