「…………続いて、吹奏楽部 全国吹奏楽コンクール、ゴールド金賞」 悪いことを咎(とが)められたような気持ちになって、ドキッとした。 ステージに立つ部長と副部長の真っ直ぐな視線。 あの時の、みんなの輝いていた表情と重なった。 ステージの上と下。 舞台上と舞台脇。 同じ空間にいて、同じ場所にいるのに彼らの目に僕は映らない。 この気持ちは空虚に似てる気がする。