一人でも見つければ、天国。
独りなら、地獄。

クラスの大半がそんなことを考えているはずだ。

そう、大半。

全員じゃない。
例外を除いて。


彼女だけは何かが違う。


私の斜め前の席の(たちばな)さんは、いつも独り。

独りを嫌う私は、いつも実優といる。

私だけじゃない。
他の子だってそう。

私たちは、心のどこかでそれが勝ちだと思
っている。


無意識にあなたは独りだから、
私の方が上で、あなたの方が下。

みんなに合わせないと、
空気を読まないと。


そんな風に生きてきた。
そんな風にしか生きれなくなってしまった。