リボン～もう１度君に、プロポーズ～

気に障るようなこともしていなければ、反対していた様子もない。

なのに、社長はどうしてウソをついてまで私と周晴さんを別れさせたのだろう？

「希里恵」

そう思っていたら、周晴さんが私の手を握った。

「もう１度、父に会ってくれないか？」

「…えっ？」

思わず聞き返した私に、
「父に会うことは勇気がいると言うのはわかってる。

そのうえ父がついたウソのせいで別れることになってしまったから、なおさらだと思う。

希里恵には本当に申し訳ないことをしたと思ってる」

周晴さんは言った。

「だけど、どうしてウソをついたのかどうして俺たちを別れさせたかったのか…希里恵もそう思ってるだろう？」

そう聞いてきた周晴さんに、私は首を縦に振ってうなずいた。