リボン～もう１度君に、プロポーズ～

「周晴さん…私、顔あわせの時に何か社長の気に障るようなことをした…？」

私の質問に、周晴さんは首を横に振った。

「“いいお嬢さんだ”って、父は希里恵のことをそう評していたよ。

だけど…」

「えっ？」

「“彼女を閉じ込めるのはかわいそうだ”と、父は言っていた」

「閉じ込めるって…」

それは、どう言う意味なのだろうか？

「“田渕さんにはもっと他にいい場所があるはずだ、もっと幸せになれるところがあるはずだ”って…父は、そんなことを言っていたよ」

どうしてそんなことを言ったのだろうか？

一体何を考えて、どう言う意味で、それらのことを言ったのだろうか？

「もしかして…」

「反対してた様子はなかったと思う、そんな素振りもなかったし」

私の頭の中を呼んだと言うように、周晴さんは答えた。