リボン～もう１度君に、プロポーズ～

お兄ちゃんは周晴さんを見つめると、
「あんたの親父さんへの疑問がまだ残ってる」
と、言った。

「どう言うことなの？」

雪穂さんは首を傾げた。

「元はと言えば、あんたの親父さんがついたウソのせいだろ。

希里恵には会社が危ない、あんたには希里恵に好きな男ができたとウソをつかれたことが原因で別れることになった訳じゃないか」

「…もう名前で呼んであげなさいよ」

周晴さんを“あんた”呼ばわりしているお兄ちゃんに、雪穂さんは呆れた様子だった。

「俺はどうして、あんたの親父さんがウソをついてまで別れさせたのかと言う疑問があるんだ」

そう言ったお兄ちゃんに、私と周晴さんはお互いの顔を見あわせた。

「確かに、そうですね…」

周晴さんは呟いた。