リボン~もう1度君に、プロポーズ~

そんなことを思いながら大晴に視線を向けた時だった。

「…あれ?」

私の声に、前を歩いていたお兄ちゃんと雪穂さんが振り返った。

「どうした?」

そう声をかけてきたお兄ちゃんに、
「大晴がいなくなった…」

私は繋いでいたはずの自分の手を見せた。

「えっ!?」

「ま、マジかよ…!?」

突然の出来事に、私たちはパニックになった。

「とにかく、大晴を探すぞ!

まだ近くにいると思う…と言うか、そうであって欲しい」

「私、迷子センターに行って見てくるわ!

もしかしたら、誰かが大晴をそこに連れてきてるかも知れないし…」

「俺、向こうの方を見てくるから。

希里恵はここで待っててくれ、もしかしたら大晴がくるかも知れないし」

「わかった」

お兄ちゃんの指示に、私は首を縦に振ってうなずいた。