カバンを持って玄関へ行くと、お兄ちゃんと大晴は靴を履いて準備を済ませていた。

私も靴を履くと、
「はい、終わったよ」

2人に声をかけた。

「雪穂さん、今日の大晴のお迎えお願いします」

「わかったわ」

私が声をかけると、雪穂さんは首を縦に振ってうなずいた。

「よし、行くか」

お兄ちゃんが言った。

「行ってきまーす」

「はい、行ってらっしゃい」

雪穂さんに見送られて、私たち3人は外に出た。

「今日も天気がいいなー」

「いいなー」

お兄ちゃんと大晴のやりとりを微笑ましく思いながら、大晴が通っている幼稚園へと一緒に向かった。

「今日は雪穂ママがお迎えにくるからね」

「うん!」

大晴を幼稚園に送り出すと、
「俺たちも行くか」

「行こう」

私とお兄ちゃんは駅へと足を向かわせた。