リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「正直なことを言うと、とても聞けるような状況じゃなかった。

希里恵もいろいろあって心のバランスが崩れてたし、精神的にもつらかった時期だったし」

「つらいって…」

当時のことを思い出したのか、お兄ちゃんは痛々しそうな顔をした。

「あの時、風斗が無理やり病院に連れて行かなかったらどうなってたのかわからなかったわね…」

「そうですね…」

同じく当時のことを思い出した雪穂さんは息を吐いた。

お兄ちゃんが病院に連れて行ってくれたおかげで、私はお腹の中に周晴さんの子供がいたことを知ることができたのだ。

「大晴、ママがずっとそばにいるからね…。

風斗パパと雪穂ママも、ずっと一緒だからね…」

我が子の寝顔に向かって、私は呟いた。