リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「そうね、今は何も聞いてこないからいいけれど…さすがにいつまでも黙っていると言う訳にはいかないわよね」

雪穂さんはそう言って、私を見つめた。

「もちろん、大晴にはちゃんと打ち明けるつもりです」

私は雪穂さんに言った。

「希里恵」

お兄ちゃんが私の名前を呼んだ。

「高校生って言うのは、俺が例えで言ったことだから気にするな。

大晴に打ち明けるタイミングは、希里恵自身が決めるんだぞ?」

そう言ったお兄ちゃんに、
「うん、わかってる」

私は返事した。

「希里恵も今になって、大晴の父親のことを俺たちに打ち明けてくれたんだ」

「…それは、今日までずっと黙っててごめんなさい」

そう言った私に、
「謝らなくていいわよ」

雪穂さんは言い返した。