「雪穂…お前、希里恵に何をしたんだよ」

そう聞いたお兄ちゃんに、
「何もしていないわよ。

味方でいるって言うことを言っただけよ」

雪穂さんは答えた。

「味方…そうだな、俺たちは味方でいるって決めたもんな」

お兄ちゃんはそう言うと、私の頭をなでた。

「一生をかけて、お前たちを守るって約束したもんな」

兄夫婦がいなかったら、私と大晴はどうなっていたのだろうか?

兄夫婦が味方をしてくれなかったら、大晴はいなかったかも知れない。

彼らがそばにいてくれたおかげで、私と大晴はここにいるんだ。

「――お兄ちゃん、雪穂さん…ありがとう…」

泣きながらお礼を言った私に、
「ああ…」

「うん…」

お兄ちゃんと雪穂さんは返事をした。