リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「その乙國ってヤツは、どこで希里恵が今の会社で働いていていることを知ったんだ?」

そう聞いてきたお兄ちゃんに、
「知ったんじゃなくて、偶然会ったの。

取引先の会社の相手として周晴さんが会社にきたの」

私は答えた。

「なるほどな」

お兄ちゃんは息を吐くと、
「希里恵は、ヨリを戻す気はないんだろ?」
と、言った。

「風斗」

雪穂さんはそんなことを聞くなと言わんばかりに、お兄ちゃんを見つめた。

「戻す気はないって言うか…彼のお父さんに頼まれて、私は周晴さんから離れたんだもん。

周晴さんにも子供がいるって言ったし…もしかしたら、私が結婚してるって思ってるかも知れない」

「そうか…」

お兄ちゃんは呟くように返事をすると、ホットミルクを口に含んだ。