リボン~もう1度君に、プロポーズ~

その日の夜。

夕飯を食べて、お風呂を済ませて、大晴の寝かしつけが終わると、私はリビングに顔を出した。

「希里恵ちゃん、お疲れ様」

雪穂さんがホットミルクを用意してくれた。

「ありがとうございます」

私は椅子に腰を下ろすと、ホットミルクを口に含んだ。

隠し味にハチミツが入っているそれはほんのりと甘くて、気持ちが落ち着いてくるのがわかった。

「希里恵」

お兄ちゃんに声をかけられて、
「今日の夕方に一緒にいた人なんだけど…あの人、実は大晴のお父さんなの」

私は言った。

「えっ、お父さん?」

そう聞き返してきたお兄ちゃんに、
「もしかして、親権を譲れとかそう言う…」

雪穂さんは心配そうな顔をして言ったので、私は首を横に振った。