リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「それで、何があったんだ?

と言うか、さっきの男は誰なんだ?」

やっぱり、そう聞いてくるよね…。

「お兄ちゃん、この話は帰ってからしたいの。

雪穂さんも一緒にいて欲しいと思ってるし…」

そう言った私に、お兄ちゃんは何かに気づいたと言う顔をした。

「わかった、帰ったらちゃんと話をするんだぞ?」

「うん…」

私たちは改札を通ると、ホームへと足を向かわせた。

「雪穂から大晴のお迎えが終わったって言うメッセージがきたぞ」

電車を待っている間にスマートフォンを見ていたお兄ちゃんが声をかけてきた。

「そう…雪穂さんに、いつもありがとうございますって送っといて」

「うん、わかった。

ついでに希里恵と帰りが一緒になったって送っとくから」

お兄ちゃんの横顔を見ながら、私は電車がくるのを待った。