リボン~もう1度君に、プロポーズ~

私だって、あなたを忘れることができなかった。

あなたのことをずっと思い続けてた。

あなたが私のことを忘れなかったように、私もあなたのことを忘れることができなかった。

「希里恵、俺は今でも君のことを愛してる。

君が他の男と別れるのを待ってるから」

「わ、別れるって…」

「本当は、奪いたいと思ってる。

でも…君はそんなことを望んでいないだろう?」

悲しそうな顔で私を見つめている周晴さんに、私は改めてこの人を優しい人だと言うことを知った。

そんな彼に、本当のことを言ってしまいそうになった。

「――周晴さん、私…」

「希里恵?」

その声に私はハッと我に返って、当人の方に視線を向けた。

お兄ちゃんがそこにいた。