リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「周晴さん、私には子供がいるんです」

「それはわかってる。

でも、俺は今でも希里恵のことを思っているんだ」

私は周晴さんから離れた。

「希里恵!」

周晴さんは私の名前を呼ぶと、追いかけてきた。

「もういい加減にしてくれませんか?」

「君が他の男と結婚したのはわかってる」

そう言った周晴さんに、都合のいい解釈をしてくれたと嬉しく思った。

だけども、本当は違うと否定したい気持ちも同時に出てきた。

違うんだよ、私は結婚なんかしていない。

子供はいるけど、それはあなたとの子供なんだよ。

「じゃあ、何で…?」

何で私から離れてくれないのだろうか?

「ずっと忘れることができなかった」

私の顔を見つめると、周晴さんは言った。