リボン~もう1度君に、プロポーズ~

4月も終わりに近づいたよく晴れた日。

息子――大晴は、無事に生まれた。

「希里恵、お疲れ様」

「おめでとう、希里恵ちゃん。

よく頑張ったわ…」

若干目を腫らしたお兄ちゃんと雪穂さんに労れて、
「――ありがとう…」

まるで呟いているかのような声で、私はお礼を言った。

生まれたばかりの息子は、とても愛しかった。

「こんにちは、初めまして…」

我が子の顔を見たとたんに、私の目から涙がこぼれ落ちた。

周晴さん、私はこの子を大切に育てます。

あなたが授けてくれたこの命を大切にします。

大晴の顔を見ながら、私は心の中で呟いた。

兄夫婦と協力して子育てに悪戦苦闘をしていたら、月日はあっという間に流れていた。

大晴は4歳、私は29歳になっていた。