リボン~もう1度君に、プロポーズ~

首を縦に振ってうなずいたけれど、不安が心の中を襲った。

まさか、妊娠していたなんて思わなかった…。

怖い…でも、周晴さんとの愛の形がなくなってしまうのは、もっと怖い。

その後でお兄ちゃんのところに行って、妊娠のことを報告した。

「お前…」

お兄ちゃんは驚いたようだけど、
「おめでとう、頑張れよ」

すぐに私を抱きしめた。

「元気な赤ちゃんを産んでね」

雪穂さんは言った。

「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

雪穂さんは21歳の時に手術が必要な程の大病を患い、子供ができにくい躰になってしまった。

――おばあちゃんに、ひ孫の顔を見せたかった…

雪穂さんはそう言って泣いていた。

自分のことのように喜んでくれる兄夫婦を思いながら、私は周晴さんとの子供を大切に育てようと思った。