リボン~もう1度君に、プロポーズ~

お兄ちゃんが病院の駐車場で待っている間、雪穂さんに付き添われる――私が逃げないようにと監視役を頼まれたらしい――形で診察を受けた。

「おめでとうございます」

何故か産婦人科に通されて、先生にこう言われた。

「…えっ?」

何を言われたのか、全く理解ができなかった。

「お腹の中に赤ちゃんがいます」

そう言った先生に、
「…赤ちゃん、ですか?」

私は聞き返した。

考えられることは、ただひとつだけだ。

お腹の中にいるその子は…間違いなく、周晴さんの子供だ。

「希里恵ちゃん…」

雪穂さんが私を見つめた。

「もちろん、産むよね?

お腹の中の子を産むわよね?」

そう聞いてきた雪穂さんに、
「――はい…」

私は首を縦に振ってうなずいた。