リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「無理してないです。

お気持ち、ありがとうございます」

「…そう、わかったわ」

私が返事をしたのを確認すると、雪穂さんは部屋から出て行った。

…本当は、雪穂さんに話を聞いてもらいたかった。

お兄ちゃんと高校時代から交際している雪穂さんを、私は実のお姉ちゃんのように慕っていた。

「――ッ、うっ…」

目から涙がこぼれ落ちて…それは、ポタリと書きかけの履歴書のうえに落ちた。

雪穂さんに何もかも全てを打ち明けて、泣きつきたかった。

でも…心配をかけたくなかった。

私も、人のことが言えないな。

心配をかけたくないから黙るなんて、周晴さんのことを責められないじゃない。

家族に気をつかって、私は声を押し殺して泣いた。