リボン~もう1度君に、プロポーズ~

歓迎はされていたようだし、特に変なことはなかったと思う。

反対していた様子もなかったはずだ。

それから周晴さんが紅茶とロールケーキを持ってリビングにきて、3人で楽しい時間を過ごした。

「彼女と結婚したいと、そう思っています」

お父さんの前でそう宣言をした周晴さんだったけれど、
「そうか、それは嬉しいよ」

乙國さんはそう返事をしただけだった。


顔あわせをしてから、2週間が経った週末のことだった。

私は乙國さんに話があると言って、彼の行きつけの喫茶店に呼び出された。

「あの、お話と言うのは…?」

席に座って注文をした後で、私は話を切り出した。

「あの子から何か聞いたことはあったかな?」

そう聞き返してきた乙國さんに、
「…いいえ」

私は首を横に振って答えた。