「雪穂さん、何か手伝いましょうか?」

そう声をかけた私に、
「そうね…じゃあ、テーブルに食器を並べてくれるかしら?

食器を全部並べ終わったら、風斗と大晴を起こしてきて。

もう少しで朝ご飯ができるから」

雪穂さんは言った。

「はい、わかりました」

私は食器棚から4人分のご飯茶碗と湯飲みを取り出した。

「はい、みそ汁のお椀です」

「ありがとう、希里恵ちゃん」

雪穂さんがみそ汁用のお椀を受け取ったことを確認すると、私はテーブルのうえにご飯茶碗と湯飲み、箸を並べた。

「お兄ちゃんと大晴を起こしてきます」

「はーい、お願いね」

リビングを後にすると、兄夫婦の寝室へと先に足を向かわせた。