リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「わーっ、キレイ!」

「すごいな」

近くの広場でやっていると言うイルミネーションは、たくさんの人でにぎわっていた。

家族連れやカップルとたくさんの人がいた。

イルミネーションを見て回っていたら、
「希里恵」

周晴さんに名前を呼ばれた。

「はい」

それに対して返事をして彼の方を振り返ると、真剣な顔で私を見つめているその姿があった。

何だろう?

その顔を仕事以外で見たのは初めてで、私は緊張してしまった。

「田渕希里恵さん」

周晴さんが唇を動かして、私の名前をフルネームで呼んだ。

「はい」

フルネームで呼ばれたのは、大学の卒業式以来だ。

「初めて見た時から、君のことが好きでした。

俺と…結婚を前提におつきあいをしてください」

周晴さんはそう言うと、頭を下げた。