リボン~もう1度君に、プロポーズ~

それ以来、私と周晴さんの距離が近くなった。

2人で一緒に飲みに出かけたり、休みの日には一緒に遊びに行くようになった。

コーヒーよりも紅茶が好きなことや80年代や90年代の音楽を好んで聞くこと、お取り寄せが好きで気に入ったものがあったらリピートしていることなどと、私は彼のことをたくさん知った。

2人きりの時は私は“周晴さん”、乙國さんは“希里恵”と名前で呼びあう関係にまでなったけれど…まだ彼に“好き”だと告白をしていなかった。

――田渕さんのことをもっと知りたいんだ

彼はそう言ってくれたけれど、私のことはどう思ってくれているんだろう?

今振り返ってみると…それには、どう言う意味があったんだろう?

部下として私のことを知りたいと言う意味だったのだろうか?

それとも、友達になりたかったと言う意味だったのだろうか?

どちらにせよ、どう言う意味だったのかわからなかった。