リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「田渕さん…本当に、いいの?」

そう聞いてきた周晴さんに、
「はい…」

私は首を縦に振ってうなずいた。

会場に戻ると、
「おっ、やっと戻ってきたか」

部長が私たちに気づいた。

「部長」

周晴さんは部長に声をかけると、
「田渕さん、具合が悪くなってしまったみたいで」
と、言った。

「えっ、それは大変だな」

部長はほろ酔い状態だったが、心配をしているようだった。

「彼女のことが心配で駅まで送りたいので、この辺でお暇してもよろしいでしょうか?」

そう言った周晴さんに、
「ああ、全然いいよ。

2人共、気をつけて帰るんだよ」

部長は笑いながら言った。

「はい、ありがとうございました」

周晴さんはお礼を言うと、自分のカバンと私のカバンを手に持った。