リボン~もう1度君に、プロポーズ~

「希里恵」

周晴さんに名前を呼ばれた。

「つきあっている人はいるか?」

そう聞いてきた周晴さんに、
「いないけど…」

私は答えた。

「そうか、よかった…」

周晴さんはホッとしたと言うように息を吐いた。

「えっ…?」

何が“よかった”と言うのだろうか?

「周晴さんは、つきあっている人はいないの…?」

そう聞いた私に、
「いない、結婚もしていない」

周晴さんはすぐに答えた。

「えっ…?」

私のことなんか忘れて、結婚をしていると思っていた。

「俺…」

周晴さんは私を見つめると、
「――俺、今でも君が好きなんだ」
と、言った。

心臓がドキドキと、早鐘を打っている。

私は…今、何を言われたの?