――全ては、僕のわがままです

そう言って頭を下げた乙國さんに、お父さんとお母さんは今までのことと周晴さんとの結婚を許して、大晴のことを認めてくれてのだった。

「周晴の親父のおかげで、俺たちも実家に帰れるようになった訳だし…結果的にはよかったんじゃねーか?」

お兄ちゃんはそう言って雪穂さんに視線を向けた。

「うん、まあね。

まさか周晴くんのお父さんまできたことには驚いたけど」

雪穂さんはフフッと笑った。

お父さんとお母さんは初めての孫を認めて、かわいがってくれた。

大晴も初めて会った祖父母に懐いており、良好な関係を築いている。

少し前まで、こんな風になると誰が予想していたのだろうか?

私は、都合のいい夢を見ているのだろうか?