3人を駅まで送って先に家に帰らせると、私と周晴さんは一緒に駅周辺を歩いた。

「またこうして、希里恵と一緒に入られるなんて夢を見てるみたいだな」

そう声をかけてきた周晴さんに、
「うん、そうだね」

私は返事をした。

いつかの時みたいに周晴さんと手を繋いで歩く日がまたくるなんて思わなかった。

「希里恵」

周晴さんに名前を呼ばれたので、
「はい」

私は返事をして彼の方を見た。

真剣な顔で私を見ている周晴さんに、私はあの日のことを思い出した。

周晴さんに告白されたあの日のことを。

「田渕希里恵さん」

あの日と同じように、周晴さんは私の名前をフルネームで呼んだ。

「はい」

あの日と同じように、私は返事をした。